こんにちは 心笑庵(@shinsyoan777)です。
本日は病院にて定期検診でした。
もう何度この病院を訪れたことでしょう^ ^
私がお世話になっているのは
熊本市にある高野病院。
ここは痔や大腸を専門に扱っているところでして
全国から患者さんが訪れるくらい有名な医院。
私が直腸がんになった時も
「地元にそんな専門的な有名病院があってよかった・・・」
と心から思いました。
県外の病院に通うというのはなかなか骨が折れることですもんね。
今年で手術後4年が経とうとしているわけですが、
今は大体1ヶ月に一回検診を受けています。
幸いどこにも異常は認められず
健康的に生活できているのでありがたい限りですね。
ということで本日は直腸がんになり
一時的に人工肛門(ストーマ生活)を経験した私が感じることを書きたいと思います。
人工肛門で生活されている方はあまりいらっしゃらないでしょうから
知識として役に立つと思いますし、
ストーマ生活を送ろうとしている人に対しても気づきとなる部分があると思います。
話の結論としましては
物事には必ず一長一短があり、どっちが良いとは言い切れない。
です。
お腹がぽこっと膨らんだ日
私は2017年11月に直腸がん宣告を受けました。
しかし、それはある意味偶然といいますか、
別の症状で病院にかかっている時のことでした。
遡ること1ヶ月前。
自室で体を鍛えようと腹筋をしていた時のこと。
お腹に力を入れた時違和感を感じました。
「あれ?なんだかお腹が膨んどるな・・・」
左下腹部に体の中からテニスボールで押したような膨らみができていたのです。
手で押し込んでみると凹みますが
手を離すとまたポコり。
触っても痛みはありません。
「ん?ん?なんだこれは?」
その後インターネットでこの症状を検索してみると
すぐにそれであろう病名を発見できました。
鼠径ヘルニア。
つまりお腹の脱腸です。
「あちゃ〜脱腸になってしまった・・・」
少し気分が落ちましたが、
まあしょうがないと思い、病院を受診するとビンゴ。
「あー完全に脱腸ですね!」
と診断を受けます。
当然手術することでしか治りません。
「やれやれ面倒なことになったな・・・」
と思っていると、先生から一言。
「万が一のことも考えて腸の検査もしておいてください。その方が安心ですから」
確かに私は長いこと健康診断も受けていませんし、
腸を検査したことは一度もありません。
「まあ体に特段の異常はないし、何もないだろうが念のために受けとくか」
それくらいの軽い気持ちでいました。
さっさと検査して、さっさと脱腸の手術をして
このポッコリお腹からおさらばしよう。
思えばこの時。
この先に待ち受ける壮絶な運命を微塵も感じていませんでしたね。笑
突然の宣告からストーマ生活へ
「野中さん、これは悪性の腫瘍です。つまるところ
直腸がんということになります・・・」
予想だにしない突然の宣告。
示された直腸カメラの写真にはドス黒い塊がはっきりと映っていました。
「え?まさか・・・」
脱腸の手術前の腸の検査。
そこで提示された現実に私は打ちのめされました。
うちに帰り検査結果を妻に報告すると顔が青ざめます。
「大丈夫とね?」
さすがにガンという病名には「死」がセットでイメージされますから当然です。
今まで椎間板ヘルニアだったり、
歯のインプラント手術などで病院にはたくさんかかり
長期に入院することはあったものの
内臓系の病にはかかることがありませんでした。
私にとっても初めてのこと。
「大丈夫!大丈夫!心配するな!」
そう口にしたものの手術を受ければ
1年で最も忙しい師走から年明けまで、
店を空けることになります。
私がいない分従業員には負担をかけることになります。
(こんな時期に申し訳ない・・・)
そう感じながらも、
偶然、脱腸になったことにより見つかったガンということもあり
「これは助かるということに違いない」
そう思い込みました。きっと神様が偶然見つけてくれたんだ!
ポジティブに考えることにしました。
そして2017年12月上旬直腸がんの手術は成功し、
年明け1月の半ばから私の人工肛門(ストーマ)生活が始まります。
私の場合肛門すぐ上部に腫瘍ができていたため
肛門括約筋のコントロールができなくなる場合もありましたが
半年後に元に戻すと決めていましたのでストーマ生活は6ヶ月間に及びました。
腰付近からぴょこっと飛び出した小腸がストーマと呼ばれる人工肛門。
そこにパウチと呼ばれる袋を取り付けて排泄物はここに溜まります。
取り付けの際にはストーマ周囲をきれいに洗い、
強力なシールでお腹にくっつけますのでしっかりと固定されています。
ですから普通に生活していれば外れることはありません。
寝ている時も大丈夫です。
それに普通は便意をもよおしてトイレに行くと思うのですが
ストーマの場合は”もよおす”という感覚がなく勝手に出てくるんですよ。
だからすごく楽と言えば楽です。
わざわざトイレに行く必要がありませんから。
ですが外出した場合は少し大変です。
何故ならそのパウチに溜まった排泄物をトイレで処理しなければならないのですが
ストーマ用のトイレってなかなか見つからない。
ご存知でしたか?
ストーマ生活者用のトイレってあるんですよ。
オストメイト対応トイレと呼ばれるもの。
※オストメイトとはストーマ生活者のこと
ここでパウチの排泄物を流し、洗浄します。
大抵多目的トイレの中にあるものなのですがない場所も多い。
ですから外での処理は大変。
何度も大変な思いをしました。
そのほかにも取り付け部分が汗などでかぶれたり
丁寧にストーマ付近を洗うため粘膜が弱くなったりで痛みを感じることはありましたけど
全体を通して見ますとずいぶん楽でした。
「え?ストーマ生活の方が楽なの?」
と思われる方が多いでしょうが、今はそう思います。
その時はわからなかったんですけどね。
はい。確実に楽でした。
予想していなかった苦しい日々
半年のストーマ生活をして自分の肛門に腸を繋ぎ直しました。
「これで自分の肛門を使った元の生活に戻れる・・・」
ガンになり、不自由な生活を送っていた私は期待と安堵に包まれていたのですが
現実は全く逆の方へ進みました。
その後の苦しみは以前書いた通り。
↓詳しくはこちらをお読みください。
それはそれは本当に壮絶な体験でした。
「なんでこんなことになったんだ・・・」
あまりのつらさに戻したことを後悔した日々。
この先このままの生活を続けていかなければならないことに絶望し、
歯を食いしばりながら耐えるしかない時間が続きました。
「ストーマ生活に戻りたい・・・」
何度頭をよぎったことでしょう。
あれから3年が経ちます。
初期の頃と比べたら見違えるようになったと思います。
本当に少しずつですが、
便意を我慢できるようになりました。
しかしそれでも生活は楽ではありません。
毎日トイレのことが頭から離れません。
夜中12時付近から便意をもよおせば
それから数時間トイレを行ったり来たり
安心して眠ることはできません。
ですから睡眠時間も定まっていません。
頻尿ならぬ頻便に悩まされています。
お尻にはいつも便もれパッドを装着しています。
これがないと安心して生活することは不可能です。
私の場合本当に肛門すぐ近くの腫瘍でしたので
排便コントロールがうまくいっていないのでしょう。
ですが今後も向き合っていくしかないこと。
元に戻すという選択肢をとった私にはどこまでもついてくる課題です。
「今思えばかぶれの痛みはあったとしてもストーマ生活は快適だったな」
外出した時には特にそう思います。
駆け足でトイレに駆け込まないでよかったですからね。
今は便意をもよおすだけで
顔が青ざめていきます。
その様子はさながら横山やすしの
「めがね、めがね」
ならぬ
「トイレ、トイレ」
です。苦笑
日々の生活の中で色々思うこともありますが自分で選んだ道です。
このまま進むほかありません。
両方の生活を経験して思うこと
直腸がんを宣告され、
一時的にでも人工肛門になると聞かされた時
「嫌だな」
正直にそう思いました。
腰にいつもパウチをつけてつけていなければならない。
渡哲也さんがそういった生活を送られていると聞いていましたが
まさか私もその仲間になるとは。
だから早く自分の肛門で便をできる生活に戻りたかった。
また普通に戻れると信じていた。
ですが現実はそんなに甘くはありませんでした。
確かに見栄え的にはパウチを使わない生活の方がシュッとしていていいかもしれない。
でも排便を考えた上での生活という意味では遥かにストーマ生活の方が楽です。
心配せずに外出もできますし、
睡眠もきちんと取れます。
やはり一長一短。
いい面もあれば当然悪い面も出てきます。
なかなか両方を手に入れることは難しい。
思えばこれって何でもそうですよね。
「あっちの道を選んでいればよかったかな・・・」
「こっちに進んだのは間違いだったかも」
生きていれば必ず感じることです。
全ては意味のあること。
これでよかったんだ。
もちろんそう思うようにしているのですが
そう簡単に思えないことがあることも事実。
私も聖人君子ではないですからね。笑
ですから思うんです。
「何が何でも人工肛門から元にに戻そう」
と思っている人にもマイナスの側面も必ずあることを知ってほしい。
全部が元通りになるとは限りません。
以前の記事に出てきた年配の方(今後ずっとストーマ生活を強いられる人)にも申し上げた通り
「戻したら戻したで大変なことはある。
特に介護のことを考えたら、かえってストーマの方が周りの人にも手間をかけないで済む。
ですから悲観することばかりではないですよ。」
それが両方の生活を経験者してきたものの素直な言葉です。
自分の選択したこととはいえ、後悔してしまうこと。
確かにあります。
ですがそこでマイナスの側面だけを見てしまえば
その後はずっと苦しい。
ですから必ず両面があるということを忘れないようにしたいですね。
今日も読んでいただきありがとうございました。
壮絶だった術後の経験。
嘘偽りのない事実ですから多くの人に読んでもらいたいと思います。
↓
【当たり前の有り難さ】人生で一番大切なことは大腸がんが教えてくれた
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私は長年経営していたスーパーをやめて、現在は創作活動をしながら地域を盛り上げるような活動を行っています。
これまで本当に山あり谷ありの人生を送ってきて、決して順風満帆ではありませんでした。
幼い頃の貧乏生活、若い頃の度重なる挫折、何度病院に通ったかわからないほどの病の連続、そして我が子の死。
思い返せば苦しい時期の方がはるかに長かった。心が折れそうになったことは数知れません。
けれどいつも笑顔とユーモアを持ち続けてきた結果、今では自分のやりたいことで周りの人に喜ばれるような活動ができています。
こんな風な人生になれたのも人のためという気持ちを忘れなかったからだと感じます。ここまで生きて来れて本当によかった。
悲しいことはありましたけど、私は私として人生を生きられることを幸せに思います。ある程度年齢を重ね、人の喜び=自分の喜びだと今では深く感じています。
ありがたいことに私の拙い言葉で感動されたり、涙を流して喜ばれる方も出てきました。 私はそれが嬉しくてたまりません。私ができることで1人でも多くの皆さんのお役に立てるのならこれほど嬉しいことはありません。
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